痔の予防

日常生活でできる予防法

排便のリズムをつくる

排便習慣下痢や便秘といった便通の異常は痔の原因となります。したがって、適切な排便習慣を意識することが大切となります。特に、朝の時間帯は便意を催しやすいと言われていますが、朝は通勤通学の準備などでお忙しい方も多く、排便を我慢することでリズムが乱れてしまいがちになります。

食生活を改善する

規則正しい食生活、特に朝食をきちんと摂ることが大切です。朝食を摂ることによって消化管の活動が始まりますので、きちんと摂るようにしましょう。また、栄養バランスの良い食事を腹八分目で摂ることも大切です。食物繊維が豊富に含まれる食品を積極的に摂取することで、腸の蠕動運動が高まり、排便のリズムが正常化されます。
食べ過ぎやお酒の飲み過ぎは胃腸に負担をかける要因となり便通異常にもつながりますので、控えるようにしましょう。

同じ姿勢を続けない

姿勢デスクワークや立ち仕事で長時間同じ姿勢を続けている方は、こまめに休憩を取って体勢を変えるようにしましょう。屈伸運動や周囲を少し歩くことによって、下半身の血流が改善されますので、肛門周辺のうっ血を予防することに繋がります。

腰回りを冷やさない

腰回りが冷えることで血流が悪化し、便通異常を引き起こすリスクが高まります。したがって、服装や部屋の温度に気を付けたり、入浴時にしっかり身体を温めるなどして冷えを予防するようにしましょう。

適度な運動

適度な運動習慣を意識することで、全身の血流改善を促していきましょう。軽めのウォーキングやランニングが効果的であり、腹筋運動によって便秘の改善も期待できると言われています。

ストレス解消を心がける

入浴 リラックスストレスによって自律神経が乱れると、便通の異常に繋がりかねません。趣味の時間や入浴でゆっくりとリラックスした時間を作ることが大切です。また、気分をリフレッシュするために休日に旅行などで外出してみるのも良いでしょう。

温水洗浄トイレを正しく使う

トイレットペーパーで肛門を拭くだけでは汚れが落ち切らず、汚れを落とそうと強く拭くことで肛門に傷をつけてしまう恐れもあります。したがって、温水洗浄機能がついたトイレで肛門を洗うことで、清潔な状態を維持することが大切です。
しかし、温水シャワーを適切に使用しないと、かえって痔を悪化させることがあります。強い水圧を肛門に当てると、肛門粘膜の炎症悪化のリスクがあります。また、肛門を少し開いた状態で温水シャワーを当てると、シャワートイレ症候群という水圧なしでは便意が起こらない状態になるリスクがあるため、注意が必要です。

痔を悪化させない対処法

裂肛のケア

裂肛の原因となる便秘を解消することが大切です。痛みを回避しようとして便意を我慢すると、かえって便秘が悪化してしまうため便意はなるべく我慢しないようにしましょう。また、排便時は5分以上強く力まないことも大切です。排便後も痛みが消えない場合は、肛門周辺を温めると痛みの緩和に繋がります。

痔核のケア

肛門周辺を清潔な状態にして、血流を悪くしないことが痔核のケアにおいて大切です。38〜40℃くらいのお風呂に浸かって、温かいお湯のシャワーを浴びるなどしてお尻を温めると良いでしょう。
また、適度な運動習慣を意識することも大切となり、外出の際は歩いて移動する、エレベーター・エスカレーターの利用はなるべく控えるなどを意識すると良いでしょう。

痔ろうのケア

痔ろうになると、膿の通り道である瘻管に痛みが出ますので、冷却シートや氷で患部を冷やして痛みを和らげるようにしましょう。
また、膿によって肛門が汚れますので、トイレの温水シャワーを使ったり、入浴時にきれいに洗うなどして、肛門を清潔な状態に保ちましょう。ぬるま湯を入れた洗面器にお尻を浸けてやわらかいタオルなどで優しくお尻を洗うことも効果的です。
規則正しい食生活も心がけて下痢などの便通異常を起こさないことも大切です。特にお酒の飲み過ぎは禁物です。あわせて、寝不足やストレスの解消にも取り組んでいきましょう。

専門医を受診する

裂肛や痔核は症状が重くなくても排便の度に違和感を感じたり、痛みや出血が起こることもあります。そのような症状を避けるために便意を我慢すると、便秘が悪化してしまい結果として痔の悪化にもつながります。出血や痛みの症状が激しい場合は、当院までお早めにご相談ください。
また、肛門周囲膿瘍や痔ろうは自然治癒しないと言われていますので、速やかに治療するようにしましょう。

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