女性の方へ
女性の痔の患者様は非常に多い傾向にあります。近年、食生活の欧米化などの理由によって、若い女性でも痔に悩んでいる方が増えてきています。痔にはいぼ痔（痔核）、切れ痔（裂肛）、痔ろう（あな痔）の3種類がありますが、中でも特に多いのがいぼ痔の患者様です。30代以上の方は、無自覚の方も含めて実に約7割の方が痔核を持っているとも言われています。また、痔ろうはどちらかと言うと男性に多く、切れ痔は女性の方が多いとも言われています。
女性が痔になりやすい理由
便秘と痔の関係
女性は生理前になると黄体ホルモンという女性特有のホルモンの影響で、体内に水分がたまりやすくなります。そして、便中の水分が減ることで便が固くなり、便秘に繋がりやすいと言われています。また、ダイエットや不規則な生活習慣、ストレスなども便秘を引き起こす要因となります。便秘がちな方はいぼ痔や切れ痔になりやすいため、便秘になりやすい女性が痔になりやすいと考えられています。
冷えやすい体質、環境にいる方
身体が冷えると肛門周辺の血流が悪化してうっ血を起こしやすくなり、痔を発症するリスクが高まります。冬の寒い時期は痔の症状が悪化しやすいと言われていますが、夏でも冷房が効いた部屋に長時間いると身体が冷えてしまい、血流の悪化に繋がります。また、女性ホルモンの影響で身体が冷えやすい体質の方もいらっしゃいます。服装や空調の温度を調節するなどして、身体を冷やしすぎないようお気をつけください。
妊娠と出産
妊娠した女性は骨盤内の血流量が増えるため、肛門周辺の血流が悪化して痔になりやすくなります。さらに、胎児が成長すると子宮が大きくなって肛門や直腸が圧迫されるようになります。結果として、肛門周辺の血流が悪化してうっ血が起こることで、いぼ痔の発症リスクが高まります。特に、妊娠後期や出産時の発症リスクが高く、もともと痔核を持っている女性については痔核の脱出が起きたり、血栓性外痔核の発症リスクも高まるため、注意が必要です。
また、妊娠中は黄体ホルモンの分泌が増えるため、腸の機能が低下し、もともと便秘に悩んでいなかった方でも便秘になりやすくなります。そして、便秘で固くなった便を排便する際に強くいきむことで、肛門の出口に傷がついて切れ痔につながることもあります。
出産時は排便よりもさらに強い力でいきむため、小陰唇の下端と肛門の間にある会陰が裂けてしまうことがあります。裂傷が重い場合は直腸まで傷が及んで、便が漏れてしまうといったことも起こり得ます。また、傷の縫合によって肛門を締める力が低下することもあります。
出産後も授乳によって体内の水分が足りなくなってしまい、結果として便秘に繋がることがあります。また、育児で生活習慣が乱れて、便意を催したタイミングで排便できない、育児の疲れやストレスなどでも便秘が起こりやすくなります。
赤ちゃんに配慮した治療を行っています
妊娠中や授乳中の女性は、内服薬や注射薬によって赤ちゃんに悪影響が出ないよう十分に注意する必要があります。当院では、母子ともに健康に悪影響を及ぼさないよう、かかりつけの産婦人科とも密接にコミュニケーションを取りながら痔の治療を行っておりますので、ご安心いただければと思います。
安心して治療を受けていただくために
痔の治療をすることに恥ずかしさを感じてなかなか病院に行けずにいると、次第に症状が悪化して日々の生活にも悪い影響が出ることがあります。当院では、女性の方でもなるべく抵抗感を感じずに治療に専念していただけるよう、最大限努めさせていただいております。
- 受付で患者様の症状や病名について話すことはありませんので、他の患者様に痔のことを知られてしまうといった心配は無用です。ご安心いただければと思います。
- 診療は個室のプライベート空間で実施しております。
- 診療にあたって、患部と関係のない部分まで服を脱いでいただく必要はありません。
- 患部についても、必要な部分以外は見えないようにタオルなどで覆って診療いたします。
- 診療時は横になって医師に背を向けた姿勢を取っていただきます。
上記以外にも受診にあたってご不安な点・ご要望がございましたら、何なりとお申し付けください。また、男性スタッフには話しづらい内容については、女性スタッフが内容を伺いますので、ご安心いただければと思います。
