便秘は「体と心のサイン」かもしれません
便秘は単なる排便の問題ではなく、私たちの体や心が発するメッセージとも言えます。「毎日出ない」「お腹が張る」「スッキリしない」──そんな便秘の背後には、食事・生活リズム・ストレス・ホルモンなど、さまざまな要因が隠れています。
腸は「第二の脳」とも呼ばれ、自律神経やホルモン、感情と深くつながっています。便秘が続くと、単なる不快感だけでなく、肌荒れ・気分の落ち込み・免疫力の低下にもつながる可能性があるのです。
便秘を放っておくと…
- 肌のトラブルが増える
- イライラしやすくなる
- お腹の張り・食欲不振
- 集中力の低下
- 痔などの合併症につながる
つまり、便秘とは体内のサイクルが滞っているサイン。だからこそ、しっかり向き合うことが大切です。
『便秘はお腹からの会話』
「今日は出番かな?」「いや、もう少し溜めておこうか…」──まるで腸が自分で判断しているように感じたことはありませんか?
便秘のとき、腸は無言で「少し疲れたかも」「ストレスで動けないよ」と私たちに語りかけているのかもしれません。
そんな腸との会話に耳を傾けること。それが便秘改善の第一歩です。
便秘の種類を知っていますか?
「便が出ない」といっても、原因やタイプによって便秘の種類はさまざまです。まずは、自分がどのタイプに当てはまるのかを知ることが重要です。
1. 弛緩性便秘(しかんせいべんぴ)
腸の動き(ぜん動運動)が低下して便がスムーズに移動しないタイプ。高齢者や運動不足の人に多く見られます。
2. けいれん性便秘
ストレスや自律神経の乱れで腸の動きが過敏になり、便がうまく進めず停滞するタイプ。便秘と下痢を繰り返す人にも。
3. 直腸性便秘
便意を我慢し続けることによって直腸が鈍くなり、排便の反射が起きにくくなるタイプ。デスクワークや我慢癖のある人に。
4. 器質性便秘・薬剤性便秘
大腸がんや腸閉塞などの病気、または薬の副作用で便秘が起こる場合。医師の診察が必要です。
自分の便秘タイプを知るには?
排便回数・便の形・排便時の感覚・ストレスとの関連などを日記につけておくと、医師の診察やアドバイスがより的確になります。
便秘と生活習慣の密接なつながり
便秘は、日々の生活習慣の乱れが引き金になっていることも多いです。特に次のような生活習慣は、腸のはたらきを弱めてしまいます。
よくある便秘を招く習慣
- 朝食を抜く・不規則な食事
- 座りっぱなしの生活で運動不足
- 就寝時間・起床時間がバラバラ
- トイレを我慢する癖がある
- 外出時の排便が恥ずかしい
腸は「リズム」をとても大切にする臓器です。食事・排便・睡眠・運動など、なるべく毎日同じような時間に行動することが、腸を整える第一歩になります。
腸内環境と便秘の関係
腸の中には約1,000種類以上、100兆個を超える腸内細菌が住んでおり、「腸内フローラ」と呼ばれています。善玉菌が多いと便通がよくなり、悪玉菌が増えると便秘や下痢になりやすくなります。
善玉菌を増やす食品
- ヨーグルト・乳酸菌飲料
- 味噌・ぬか漬け・納豆(発酵食品)
- バナナ・大豆製品(オリゴ糖)
- 食物繊維が豊富な野菜・海藻・きのこ類
腸内環境が良好だと、便が自然とスムーズに出るようになり、お腹の張りも改善されます。
ストレスは便秘の天敵
腸は脳とつながっており、ストレスや不安を感じるとすぐに反応してしまいます。これが「腸脳相関」と呼ばれる現象です。
ストレスが与える影響
- 腸の動きが鈍くなる(交感神経優位)
- 腸内細菌のバランスが乱れる
- 排便反射が起きにくくなる
ストレスを受けたときに、便秘や下痢を繰り返す人は多くいます。まずは「休む」ことが便秘の治療になる場合もあります。
水分不足は見逃せない要因
体内の水分が足りないと、便の水分も不足し、硬くて排出しにくくなってしまいます。便秘気味の人は、まず水分補給を見直してみましょう。
便秘改善のための水分摂取法
- 朝起きてすぐコップ1杯の白湯を飲む
- 冷たい水よりも常温または温かい飲み物を
- カフェインは利尿作用が強いため量に注意
- 1日あたり1.5〜2Lを目安にこまめに飲む
「水分をしっかり摂っているつもり」でも、コーヒー・お酒・ジュースばかりでは意味がありません。腸が喜ぶのは、純粋な「水」です。
運動と便秘の関係|「動くこと」は最大の腸ケア
腸の動き(ぜん動運動)は、筋肉の動きと深く関係しています。とくにデスクワークが多く、ほとんど体を動かさない生活をしている人は、腸がなまってしまい便秘になりやすい傾向があります。
おすすめの腸活運動
- 朝のストレッチ・軽い体操(5分でもOK)
- ウォーキング(通勤時や昼休みに+10分)
- 腹式呼吸・ヨガ・ピラティス
「毎日ジムに行かないとダメ?」ということはありません。1日の中で「いつもより少し多く動く」意識を持つだけで、腸は反応してくれます。
腸マッサージでお腹に語りかけよう
腸の位置に手を当てて、やさしくマッサージするだけでも便秘改善に役立ちます。お腹まわりの血流がよくなり、副交感神経が優位になることで、腸の動きが活発になるからです。
簡単!おへそまわりマッサージ
- 手のひらでおへそを中心に時計回りに円を描く
- ゆっくり深呼吸しながら1分ほど繰り返す
- 寝る前や入浴後がおすすめ
「お腹に触れる」ことは、ストレス緩和にもつながります。心地よい圧で、腸に「出していいよ」と伝えてあげましょう。
女性に多い便秘、その理由とは?
実は便秘は男性よりも女性に多く見られる症状です。背景には、ホルモンバランスの変化、筋力の差、我慢癖などさまざまな要因があります。
女性の便秘に影響する要因
- 黄体ホルモン(プロゲステロン)による腸の働きの抑制
- 妊娠中の腸の圧迫・ホルモン変化
- 生理周期による便通リズムの変動
- トイレの我慢・外で排便しづらい心理
女性の便秘は「我慢」や「頑張りすぎ」が原因になっていることも。心と体の両面からやさしく整えることが大切です。
高齢者の便秘は“筋力低下”も関係
高齢になると腸の動きが鈍くなるだけでなく、腹筋・骨盤底筋群の低下により「いきむ力」が弱くなり、便を出しにくくなることがあります。
また、加齢とともに腸内の善玉菌が減少し、悪玉菌が優位になることも便秘を招く原因に。
介護が必要な高齢者では、排便日誌や医師のサポートがより重要になります。
便秘が「病気のサイン」の場合も
慢性的な便秘の中には、疾患が隠れていることもあるため、注意が必要です。以下のような症状がある場合は、早めの医療機関受診をおすすめします。
要注意な便秘症状
- 便に血が混じる(鮮血・黒色便)
- 急に便秘と下痢を繰り返すようになった
- 便が鉛筆のように細くなった
- 排便後も残便感が強い
- 家族に大腸がんの既往がある
このような場合は、「機能性便秘」ではなく器質的な疾患(大腸ポリープ・大腸がん・狭窄など)の可能性があるため、内視鏡検査による評価が必要です。
医療機関でできる便秘の検査と治療
便秘が長期間続いていたり、市販薬が効かないと感じた場合には、医療機関での相談が必要です。
当院で行う主な検査
- 大腸内視鏡検査(ポリープや腫瘍の有無を確認)
- 腹部レントゲン・エコー検査
- 便潜血検査・ピロリ菌検査
- 血液検査(甲状腺や炎症の状態確認)
検査の結果に応じて、生活指導・食事アドバイス・整腸剤の処方など、体質に合った便秘治療を進めていきます。
当院では便秘に関する診療も行っています
秋葉原・胃と大腸肛門の内視鏡クリニック 千代田区院では、便秘や下痢などの腸に関する症状にも対応しています。
「便が出にくい」「お腹が張る」「市販薬では改善しない」──そんな症状がある場合には、お気軽にご相談ください。
当院の特長
- 消化器内科専門医による丁寧な診察
- 最新の内視鏡設備で正確な検査が可能
- 土日診療あり・平日夜も対応
- 女性医師による診療日も設けています
- 便秘・下痢・腹痛・血便など幅広く対応

「出ない」悩みは一人で抱えないで
便秘は生活の質(QOL)を大きく左右します。便が出ないだけで、気分が沈んだり、肌の調子が崩れたり、食欲がなくなったり…。
それでも「こんなことで病院に行っていいのかな?」と迷われる方が多くいらっしゃいます。
当院では、恥ずかしさや不安を和らげるよう配慮し、患者さま一人ひとりに寄り添った診療を行っています。
まとめ|便秘と向き合うことは、自分と向き合うこと
便秘は、腸が発するSOSであると同時に、「心の声」かもしれません。
水分・食事・運動・睡眠・ストレスケア…日常の小さな見直しが、便秘の改善につながります。そしてそれは、より良い心身の状態にもつながっていきます。
もし「何かおかしいな」と感じたら、それは腸が出している小さな信号です。
私たちはその声を見逃さず、一緒に向き合っていきたいと考えています。
秋葉原駅徒歩1分。女性の方も、初めての方も、どうぞ安心してご相談ください。
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(受付時間:9:00〜17:00)
施設紹介
秋葉原・胃と大腸肛門の内視鏡クリニック 千代田区院 >>
ホームページ https://www.akihabara-naishikyo.com/
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