「今日、あなたは水を何杯飲みましたか?」
水分補給の重要性は誰しも一度は耳にしたことがあると思います。ですが、実際に毎日しっかり意識して摂取している人は意外と少ないかもしれません。
「喉が渇いた時にしか飲まない」「コーヒーやお茶で十分」「1日1杯飲んでるから大丈夫」──こうした日常が、知らないうちに胃腸の不調や便秘の原因となっているかもしれません。
◆ここでクイズです◆
便通を整え、スムーズに排出できるようにするために、1日に推奨される水分摂取量はどれくらいでしょうか?
- A. コップ1杯分 約【200ml】
- B. ペットボトル1本分 約【500ml】
- C. 牛乳パック1本分 約【1L】
- D. もっと飲もう!【1.5〜2L】
正解は…
D. 【1.5〜2L】です!
※ただし、これは「飲み物からの摂取量」の目安であり、食事に含まれる水分も含めると、実際には2.5L前後が理想とされます。
水分は腸の“潤滑油”
腸は体内の水分バランスに大きく関与している臓器です。便の80%以上は水分でできており、水分が不足すると便は硬くなり、出にくくなってしまいます。
水分不足がもたらす便秘の悪循環
- 水分不足 → 大腸が便から水分を過剰に吸収
- 便が硬くなる → 排出しにくくなる
- いきむ・時間がかかる → さらに排便がつらくなる
- 結果として痔や腸トラブルを招く
つまり、腸にとって水分とは「便を出すための潤滑油」。スムーズな排便のためには、こまめな水分補給が欠かせません。
胃と水分の関係も見逃せない
水分補給は「腸」だけでなく「胃」にとっても大切です。空腹時の水分は胃酸をやや中和し、胃粘膜を保護する効果があると言われています。
水分で胃を守る3つの作用
- 胃酸が濃くなりすぎるのを防ぐ
- 食前の水で満腹感が得られ、暴飲暴食を防ぐ
- 粘膜を潤して炎症を予防
逆に水分が不足していると、胃酸が強くなりすぎてしまい、胃痛や胸焼け、胃炎のリスクが高まります。
水分補給は「タイミング」がカギ
水分は「たくさん飲む」だけではなく、「いつ飲むか」がとても重要です。1度に大量に飲むのではなく、1日を通してこまめに補給することが大切です。
理想的な1日の水分摂取タイミング
- 起床後:コップ1杯の白湯で胃腸を目覚めさせる
- 食前30分前:水分で胃酸の調整・食べ過ぎ防止
- 午前中:仕事中の集中力・代謝サポートに
- 入浴前後:汗で失われる水分を事前に補う
- 就寝前:脱水防止に少量の常温水(※飲み過ぎは夜間尿注意)
「飲むのを忘れがち」という方は、スマホのリマインダーや水筒を持ち歩くなど、工夫してみてください。
コーヒーやお茶は水分補給になる?
「水分は摂っているけど、ほとんどコーヒーとお茶」という人も多いのではないでしょうか。
実は、カフェインを多く含む飲み物は利尿作用があり、かえって水分が体外に出やすくなるという特徴があります。
水分補給に適しているもの・いないもの
適している | 控えめにしたい |
---|---|
水(常温〜ぬるま湯) 麦茶(ノンカフェイン) 白湯 |
コーヒー 紅茶 緑茶(カフェイン含む) アルコール全般 |
完全にNGではありませんが、「補給」としての水分は、ノンカフェイン・無糖が基本です。
外出先や忙しいときの水分補給法
仕事や家事でつい忘れがちな水分補給。そんなときは、「飲みやすい環境」を作るのがおすすめです。
習慣にしやすい工夫
- デスク・キッチンに常に水を置く
- マイボトルを持ち歩く
- 1時間ごとにアラームを設定
- 目安となる線を書いたボトルを使う
ペットボトル1本(500ml)を3〜4本分を目安に、1日を通して「少しずつ」が胃腸に優しい飲み方です。
水温にも気をつけよう
水分補給時の「温度」も、実は胃腸に大きく影響します。冷たい水を一気に飲むと、胃がびっくりして働きが鈍くなってしまうことも。
胃腸にやさしい飲み方
- 朝は白湯からスタート
- 常温水を中心にする
- 食後や空腹時は冷たい飲み物を避ける
とくに胃もたれ・腹痛を感じやすい方は、氷水・炭酸水を控え、白湯や麦茶のような「やわらかい飲み物」を取り入れましょう。
水分不足が引き起こす体調のサイン
体の60%以上は水分でできており、そのバランスが崩れるとさまざまな不調として現れます。とくに胃腸は水分の影響を受けやすい器官のひとつです。
水分不足でよく見られる症状
- 便秘(便が硬く出にくい)
- 胃の不快感(胃もたれ、鈍痛)
- 食欲不振や膨満感
- 疲労感・集中力の低下
- 口臭や口内の乾燥
これらの不調は、「水分を少し増やすだけ」で改善することも珍しくありません。
水分と消化は密接に関係している
食べ物が口から胃・小腸・大腸へと運ばれていく過程では、水分が常に重要な役割を果たしています。
水分が支える消化のプロセス
- 唾液の分泌を促し、咀嚼と嚥下をスムーズに
- 胃酸と混ざり、食塊が「キムス」として腸に送られる
- 小腸での消化酵素が活発に働くための潤滑剤
- 大腸で便の水分調整を行い、適切な排便へつなげる
つまり、水分は「胃腸が動き続けるための燃料」。しっかり補給することが、消化・吸収・排出の流れを守ることにつながります。
胃酸・胃粘膜のバランスにも水分が関わる
空腹時に強い胃酸が分泌されることは、正常な消化のために必要ですが、それが過剰になると胃痛・胃炎のリスクとなります。
水分が果たす役割
- 胃粘膜を保護し、刺激から守る
- 胃酸の濃度を適切に保つ
- 食前の水で胃の準備運動を促す
特に朝食前や空腹時の白湯は、胃を温め、粘膜をやさしく目覚めさせる効果があります。
リズムある食生活が胃腸を育てる
胃は「時間を記憶する臓器」とも言われており、食事の時間が安定している人は胃腸トラブルが少ないというデータもあります。
胃腸のために心がけたい生活習慣
- 朝・昼・夕をほぼ同じ時間に摂る
- 夜食は控え、遅くても寝る2時間前までに済ませる
- ゆっくりよく噛んで食べる
- 間食よりも1回1回の食事を大切に
食べ方も大切です。早食い・ながら食い・極端な空腹は、胃酸過多や消化不良の原因になります。
胃腸にやさしい飲み物・避けたい飲み物
飲み物の選び方によって、胃腸の状態は大きく変わります。以下は、毎日取り入れたいもの・控えたいものの一例です。
おすすめの飲み物
- 白湯(朝・空腹時に)
- 常温の水(食前・運動時に)
- ノンカフェインのお茶(麦茶・ルイボスティーなど)
できるだけ控えたい飲み物
- 濃い緑茶・コーヒー(カフェイン量が多い)
- ジュース(糖分が多く胃に負担)
- アルコール(粘膜刺激+脱水作用)
「胃がムカムカする」「お腹がゴロゴロする」と感じたときは、飲み物の見直しが改善の糸口になることもあります。
医師に相談した方がいい水分不足サインとは?
以下のような症状が長く続く場合、単なる水分不足ではなく胃腸の不調が隠れているかもしれません。
医師に相談すべき症状
- 便秘・下痢が繰り返し起こる
- 食後に毎回胃が重い・痛む
- 空腹時に胃がキリキリする
- 口臭や口内の乾きが気になる
- 水を飲むとすぐお腹が張る
こうした症状は、消化器内科での診察や内視鏡検査で原因を明確にすることが可能です。
「最近、胃の調子が気になる」「毎朝すっきりしない」と感じている方は、胃内視鏡検査を受けてみるのもひとつの方法です。
マンガでわかりやすく解説されているので、「胃カメラってこわい…」と思っている方にもおすすめです。ぜひチェックしてみてください。
当院のご案内|秋葉原・胃と大腸肛門の内視鏡クリニック 千代田区院
当院では、胃腸の専門医による丁寧な診察と検査で、毎日の不調に寄り添います。便秘・胃もたれ・胸焼け・水分不足に起因する不調など、どんなことでもお気軽にご相談ください。
当院の特長
- 胃カメラ・大腸カメラに対応した内視鏡専門施設
- 鎮静剤を用いた「苦痛の少ない検査」
- 土日診療・女性医師在籍
- 秋葉原駅から徒歩1分

まとめ|「水」は胃腸のめぐりを整える第一歩
水分不足は気づきにくい小さな変化ですが、胃腸には大きな負担を与えていることがあります。
便秘・胃もたれ・胃痛・食欲不振など、日々のちょっとした不調は、水分を見直すことで解決のヒントが見つかることも。
まずは1日1.5〜2Lを目安に、白湯や常温水から少しずつ習慣づけていきましょう。
体に水を、心にゆとりを。胃腸の健康は、毎日の一杯から育てていけます。
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(受付時間:9:00〜17:00)
施設紹介
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