「排便のときに違和感がある」
「座っているとお尻が痛い」
「血がついていて不安」
――こうした症状に心当たりはありませんか。
痔は多くの人が経験する可能性のある病気ですが、恥ずかしさから受診をためらってしまう方も少なくありません。
実は痔は、放置しても自然に治ることは少なく、悪化すれば生活の質を大きく損なってしまいます。
しかし、早期に適切な対策をとれば改善が期待できる疾患でもあります。
この記事では、痔がなぜ増えているのか、その原因と生活習慣との関係、予防や改善のための方法、そして当院で行っている治療について詳しく解説します。
読み進めることで「痔は特別な病気ではない」「早めに対処すれば安心できる」ということをご理解いただけるはずです。
✔ 記事を読むメリット
- 痔が増えている理由を生活習慣の観点から理解できる
- 自宅でできる予防・改善方法を学べる
- 受診の目安や治療の選択肢を知ることができる
恥ずかしさや不安から放置せず、早めのケアを心がけることが、健康的な毎日につながります。
痔とはどんな病気?その基礎知識
痔は「肛門周辺の血管や粘膜に異常が起きた状態」を指します。
日本人の3人に1人は一生のうちに痔を経験するといわれており、決して珍しい病気ではありません。
痔は大きく分けて3種類あり、それぞれ症状や原因が異なります。
1. いぼ痔(痔核)
いぼ痔は最も多いタイプで、肛門周辺の静脈がうっ血してふくらんだ状態です。
便秘や長時間のデスクワーク、妊娠・出産などで血流が滞ると発症しやすくなります。
- 肛門の外側にできる「外痔核」:強い痛みや腫れを伴うことが多い
- 肛門の内側にできる「内痔核」:出血が主な症状で、痛みは少ない
2. 切れ痔(裂肛)
便が硬く肛門の皮膚を傷つけることで発症します。
鋭い痛みと鮮血が特徴で、排便のたびに症状が出るため精神的な負担も大きい病気です。
便秘がちな女性や若い世代に多く見られます。
3. 痔ろう(肛門周囲膿瘍)
肛門の小さな傷から細菌が入り込み、膿がたまってトンネルのような管ができる病気です。
膿が出続けたり、再発を繰り返したりするため、根治には外科的な治療が必要になります。
これらの痔はいずれも、放置すると慢性化しやすく、再発や悪化のリスクを高めます。
だからこそ、日常の工夫と早期の受診が大切なのです。
なぜ痔が増えているのか?
近年、痔に悩む方は増加傾向にあります。背景には、現代ならではのライフスタイルや社会環境の変化が深く関係しています。
痔は「生活習慣病」といえる側面が強く、日々の行動や習慣の積み重ねが発症リスクを高めてしまうのです。
座りっぱなしの生活習慣
デスクワーク中心の働き方や、車や電車での長時間移動は、どうしても座りっぱなしの時間を増やします。
長時間同じ姿勢を続けることで肛門周辺の血流が滞り、血管に負担がかかりやすくなります。
その結果、いぼ痔(痔核)ができやすくなったり、症状が悪化したりします。
特に在宅勤務の広がりにより、外出や運動の機会が減ったことも、痔の増加に拍車をかけていると考えられます。
不規則な食生活と便通異常
現代人の食生活は、ファストフードやインスタント食品、肉類や脂質の多い食事に偏りがちです。
その一方で、腸の働きを整える食物繊維や発酵食品の摂取が不足しています。
こうした食生活は便秘や下痢を繰り返す原因となり、肛門に大きな負担をかけることになります。
便秘による硬い便は切れ痔(裂肛)を引き起こしやすく、下痢は肛門を刺激して炎症を悪化させる要因になります。
運動不足と筋力低下
日常生活の中で体を動かす機会が減り、筋力が低下すると直腸や肛門周囲の支持力も弱まります。
特に肛門を締める筋肉(括約筋)が衰えると排便コントロールが難しくなり、痔の発症リスクが高まります。
適度な運動は血流改善にも役立つため、運動不足は痔の大きな原因のひとつといえるでしょう。
ストレス社会も影響
さらに、見逃せないのが「ストレス」です。
強いストレスは自律神経のバランスを乱し、腸の働きに影響を及ぼします。
その結果、便秘や下痢といった便通異常が起こりやすくなり、痔の発症を助長するのです。
つまり、「座りっぱなし」「食生活の乱れ」「運動不足」「ストレス」が組み合わさることで、痔は発生しやすく、悪化しやすい環境が生まれているのです。
痔の予防と改善方法
痔は生活習慣と深く関係しているため、日常生活を少し工夫するだけでも予防や改善が期待できます。
「体質だから仕方ない」と思わず、できることから始めてみましょう。
バランスの取れた食事
野菜や果物、海藻類、きのこ類といった食物繊維を多く含む食品を積極的に摂りましょう。
腸内環境を整えることで便通が安定し、肛門への負担を軽減できます。
また、発酵食品(ヨーグルト、納豆、キムチなど)を取り入れると腸内細菌のバランスが整いやすくなります。
適度な運動習慣
ウォーキングや軽いストレッチは血流改善に効果的です。
特に長時間座りっぱなしになりやすい方は、1時間に1回は立ち上がって体を動かすように心がけましょう。
下半身の血流が良くなると、痔の予防だけでなく冷え性改善や代謝アップにもつながります。
正しいトイレ習慣を身につける
排便の際、長時間いきむことは肛門に大きな負担をかけます。
便意を感じたら我慢せずにトイレに行き、スマホを見ながら長居することは避けましょう。
さらに、排便時の姿勢も重要です。実は「座り方」によって便の出やすさが変わることをご存じでしょうか。
詳しくは、以下の記事で正しい排便姿勢について紹介しています。
ストレスマネジメント
ストレスは腸の働きを乱す大きな要因です。
趣味の時間を持つ、深呼吸をする、質の良い睡眠を取るなど、自分なりのリラックス法を見つけましょう。
心身のバランスが整うことで、腸内環境の安定にもつながります。
これらの習慣を意識することで、痔の予防だけでなく全身の健康にもプラスの効果があります。
しかし、すでに症状がある場合は、自己判断せずに早めに専門医を受診することが大切です。
早期受診の重要性
痔は「恥ずかしい」「そのうち治るかも」と受診を先延ばしにされがちですが、放置すると慢性化して治療期間が長引いたり、再発を繰り返したりしやすくなります。
早めに医療機関で状態を確認することで、外用薬や生活指導のみで落ち着くケースも少なくありません。
受診をためらう理由と、越えるためのヒント
- 恥ずかしさ:診察はプライバシーに配慮した体位・手順で行います。露出は最小限です。
- 痛みへの不安:診察や処置はできる限り痛みが少ない方法を選択します。必要に応じて麻酔や鎮痛を使用します。
- 仕事や家事の都合:短時間で終わる診察・検査の提案や、日帰りでの治療選択肢もあります。
「気になるけど、どうしたら良いか分からない」——そんな時は、まず一歩だけ情報を得ることから始めましょう。
初めての方にも読みやすい、お尻ケアの入門記事をご用意しています。
受診の目安(こんな症状は早めに相談)
- 排便時や座位での痛みが続く、腫れ・しこりを触れる
- 鮮血または暗赤色の出血が繰り返し起こる
- 膿が出る、下着が汚れる、発熱を伴う
- 便秘・下痢を繰り返し、生活に支障が出ている
- 市販薬で改善しない、再発を繰り返す
痔の症状は早期対処で改善が期待できます。
気になるサインに気づいたときが、最も負担の少ない治療へつながるタイミングです。
受診のハードルを下げるために ― 女性医師による肛門科診療
痔の症状に悩んでいても、特に女性の方は「男性医師には相談しづらい」と感じて受診をためらってしまうことがあります。
その結果、症状を我慢し続けて悪化させてしまうケースも少なくありません。
当院では、こうした患者さまの不安を少しでも取り除けるよう、女性医師による肛門科診療にも対応しています。
デリケートなお悩みを同性の医師に相談できることは、安心感につながり、早期受診・早期治療のきっかけとなります。
「話しにくい」「恥ずかしい」と感じることも、その思いを共有してくれる医師がいることで気持ちが軽くなるはずです。
症状が軽いうちから気兼ねなく受診いただけますので、どうぞご相談ください。
痔の治療法について
痔の治療は、症状の程度や種類によって異なります。
「痔=手術」と考えてしまう方もいますが、必ずしもそうではありません。
軽度の段階では生活習慣の改善や薬物療法だけで症状が落ち着くことも多くあります。
保存的治療(薬物療法・生活指導)
市販薬や処方薬を用いた外用療法、内服薬による炎症・出血のコントロールが行われます。
また、排便習慣や食生活の見直しなどの生活指導を併せて行うことで、症状の再発を防ぎやすくなります。
日帰り手術に対応
症状が進行している場合でも、当院では日帰り手術に対応しています。
仕事や家事で長期の入院が難しい方でも、安心して治療を受けていただける環境を整えています。
ジオン注射(ALTA療法)
内痔核に対して有効な「ジオン注射(ALTA療法)」も導入しています。
これは痔核を硬化・縮小させる注射療法で、切らずに治療が可能な点が大きな特徴です。
従来の手術に比べ、痛みや回復期間の負担が少ないことから、多くの患者さまに選ばれています。
内視鏡を活用した診断と治療
当院は「内視鏡の専門クリニック」として、痔の診断・治療にも最新の技術を取り入れています。
内視鏡によって出血や腫れの原因を正確に確認し、適切な治療方針を立てることが可能です。
当院の特徴 ― 秋葉原・胃と大腸肛門の内視鏡クリニック 千代田区院
当院は、痔をはじめとする肛門疾患・消化器疾患に幅広く対応する内視鏡専門クリニックです。
「安心・快適・通いやすい」をコンセプトに、患者さまの気持ちに寄り添った診療を行っています。
1. 全室iPad完備でスムーズなご案内
受付から診察までの流れをスムーズにするため、全ての診察室にiPadを導入しています。
検査結果や治療方針を画面で一緒に確認しながら説明することで、より分かりやすく納得いただける診療を実現しています。
2. トイレ環境にも配慮
痔や便通異常に悩む患者さまにとって、院内のトイレ環境はとても重要です。
当院では全室にトイレを完備しており、プライバシーに配慮しながら安心してご利用いただけます。
検査前処置や排便のコントロールが必要な場合でも、落ち着いて準備していただける環境を整えています。
3. フリーWi-Fiで快適な待ち時間
待ち時間も快適にお過ごしいただけるよう、院内にはフリーWi-Fiを完備。
スマートフォンやタブレットを利用して情報収集や仕事を進めながら、安心して診療をお待ちいただけます。
4. 通いやすい立地
当院は秋葉原駅から徒歩数分の好立地に位置しており、千代田区をはじめ都心部からアクセスしやすい場所にあります。
お仕事帰りやお買い物のついでにも立ち寄りやすく、忙しい方でも通院の負担が少ないのが特徴です。
痔の診療においては、「早期発見・早期治療」がとても大切です。
安心できる環境を整えた当院で、ぜひ一度ご相談ください。
まとめ ― 痔は早めのケアで改善できます
痔は決して珍しい病気ではなく、誰もが経験しうる身近な疾患です。
原因の多くは生活習慣にあるため、予防や改善のためにできることも少なくありません。
- 座りっぱなしを避けて体を動かす
- 食生活を整えて便通を安定させる
- 正しいトイレ習慣を意識する
- 気になる症状があれば早めに受診する
こうした工夫で再発を防ぎつつ、症状がある場合は専門医に相談することが最も安心です。
「まだ大丈夫」と思っているうちに悪化してしまうと、治療の負担も大きくなります。
秋葉原・胃と大腸肛門の内視鏡クリニック 千代田区院では、
最新の内視鏡技術と経験豊富な医師による診療で、患者さまの不安を取り除くサポートを行っています。
どうぞお気軽にご相談ください。
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当院では複数の予約方法をご用意しています。
ご自身のライフスタイルに合わせて、最も便利な方法をお選びください。
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(受付時間:9:00〜17:00)
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