アキバ内視鏡お困りQ＆A

虚血性大腸炎は、大腸の一部に血液の供給が不足することで酸素と栄養素を得られず、その結果、組織が壊死に至る可能性がある重大な疾患です。特に高齢者に多く見られますが、若年者にも見られることがあります。

虚血性大腸炎には主に3つの形態があり、一過性型は一時的な症状で回復が期待でき、狭窄型は腸の狭窄を引き起こす可能性があり、壊死型は最も重篤で死亡率が非常に高いとされています。それぞれのタイプで症状や治療法、予後が異なり、その正確な診断と迅速な治療が極めて重要です。

なお、東京都千代田区、秋葉原駅から徒歩1分の立地にある秋葉原・胃と大腸肛門の内視鏡クリニックでは、胃と大腸の内視鏡検査を専門に行っています。虚血性大腸炎の疑いがある場合には、内視鏡専門医が大腸内視鏡検査などを用い、迅速な診断と専門的な治療を行っています。突然の腹痛、下痢、血便など、不安な症状がある場合は、お気軽に当院へお越しください。

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虚血性大腸炎とは？

虚血性大腸炎は、大腸の一部への血液供給が不足することで発生する疾患です。この血流障害は、血管の狭窄、閉塞、または血圧の低下により引き起こされ、結果として大腸の組織が十分な酸素や栄養を受け取ることができなくなります。酸素不足は大腸の細胞にダメージを与え、最悪の場合、組織の壊死を引き起こします。

虚血性大腸炎の発生は特に高齢者に多いとされていますが、これは高齢者が動脈硬化や高血圧、その他の循環器系の疾患を持つ可能性が高く、大腸の微小血液循環が低下する事で発症するリスクが高くなるためです。
しかし、若年者でも過度の脱水状態や便秘がちな人、重大な循環障害がある場合、高齢者と同様に発症するリスクが高くなります。若い人では、便秘や感染性腸炎、下剤の使用による腸管内圧の上昇や蠕動運動の更新が原因となることもあります。特に便秘がちな人に発症率が高く、20代の女性で、ストレスやダイエットによる便秘がひどい場合などに見られることもあります。

虚血性大腸炎は、しばしば突然の激しい腹痛、下痢、血便、ショック症状といった重篤な症状を引き起こします。これらの症状は大腸の一部が充分な血液供給を受けていないことを意味しています。

もし、激しい腹痛、下痢、血便、冷や汗などの症状がある場合は、緊急の治療を必要とすることが多く、放置すると命の危険につながります。そのため、早急に医療機関へ受診する必要があります。虚血性大腸炎は、早期の発見・診断・治療できるかどうかが、予後に大きく影響します。

虚血性大腸炎の分類

虚血性大腸炎は、大腸の部分的な血流障害によって引き起こされる疾患であり、その重症度に基づいて、一過性型、狭窄型、壊死型の3つの主要な型に分類され、それにより治療法も変わります。

一過性型

一過性型虚血性大腸炎は、虚血性大腸炎の中で最も一般的な形態です。この型では、症状は一時的であり、適切な治療を受けることで完全に回復することが多いです。

症状としては、突然の腹痛、軽度の下痢、時に血便が見られますが、通常、数日から1週間で改善します。治療には、十分な水分補給と安静、必要に応じて輸液などの支持療法が含まれます。

狭窄型

狭窄型虚血性大腸炎は、炎症や潰瘍が癒える過程で腸の一部が狭くなることが特徴です。この狭窄は腸内の通過障害を引き起こし、慢性的な便秘や重度の腹痛を引き起こすことがあります。

狭窄型は通常、内視鏡的手技や外科手術による治療が必要とされ、症状の改善や再発防止のためにこれらが行われます。

症状が軽度の場合は、薬物療法と栄養管理で管理されることもあります。

壊死型

壊死型虚血性大腸炎は、虚血性大腸炎の中で最も重篤な形態であり、腸の壊死に至ることが特徴です。

この型は、緊急手術が必要となることが一般的で、治療が遅れると生命を脅かすリスクが非常に高くなります。

症状としては、激しい腹痛、持続的な血便、ショック状態の発展などが見られ、これらは腸管穿孔や腹膜炎へと進行する可能性があります。緊急手術では壊死した腸の部分を切除し、さらなる壊死の拡大を防ぐことが目的です。

以下は虚血性大腸炎の3つの型に関する情報を表形式にまとめたものです。

型	発生率	症状	治療法	予後（死亡率）
一過性型	約60-70%	突然の腹痛、軽度の下痢、時に血便	支持療法（水分補給、安静）、必要に応じて輸液治療	死亡率が低く、適切な治療で回復が期待できる
狭窄型	約20-30%	慢性的な便秘、重度の腹痛、炎症や潰瘍からの腸狭窄	内視鏡的手技、外科手術、軽度の場合は薬物療法と栄養管理	死亡率は、一過性型より高いが緊急性は壊死型以下
壊死型	約10-20%	激しい腹痛、持続的な血便、ショック状態、腸管穿孔の可能性	緊急手術が必要、壊死した腸の部分を切除	非常に高い死亡率（30-50%）、腸管穿孔や腹膜炎へと進行する可能性あり、迅速な治療必要

 

これらの情報は、虚血性大腸炎の診断や治療において非常に重要です。各型に適した治療法の選択が、病気の予後を大きく左右するため、医療機関での早期の正確な診断が求められます。

以下でさらに詳しく説明していきます。

虚血性大腸炎の死亡率

虚血性大腸炎の死亡率は、患者の状態や病型によって大きく異なります。特に壊死型虚血性大腸炎は、非常に高い死亡率を持つことで知られています。

この型では、大腸の一部が壊死し、未処理のまま放置されると死亡率が50%近くに達することもあります。これは大腸の壊死が腹膜炎や敗血症など、他の重篤な合併症を引き起こすためです。
そのため、壊死型虚血性大腸炎と診断された場合、迅速な医療介入が必要となり、多くは緊急手術が行われます。

一過性型および狭窄型の虚血性大腸炎は比較的死亡率が低く、適切な治療によって良好な経過をたどることができます。これらの型では、症状の管理と早期の治療が重要であり、早期に治療ができれば、多くの場合、状態が軽快していきます。

虚血性大腸炎の治療方法

虚血性大腸炎の治療法は、病気の型によって大きく変わります。

一過性型の場合、主に保存的治療が行われ、患者は絶食とともに輸液療法を受けることが一般的です。これにより、大腸が休まり、自然に回復していくことが多いです。

狭窄型では、症状の程度に応じて内視鏡的治療や手術が必要となる場合があります。腸の狭窄部を広げるための手術が行われることもありますが、これは狭窄が極端に進行したケースに限られます。

壊死型では、一般的に緊急手術が必要とされ、壊死した大腸の部分を切除し、さらに重篤な状態になるのを防ぎます。この手術は患者の命を救うために不可欠で、迅速な対応が必要です。

まとめ

虚血性大腸炎は、特に高齢者に多く見られる病気であり、場合によっては命の危険がある病気です。この病気は主に一過性型、狭窄型、そして壊疽型の3つのタイプに分類され、それぞれに特有の症状と治療方法があります。一過性型は比較的軽度で回復が期待できるのに対し、狭窄型は一部の患者に手術が必要となる可能性があります。特に壊疽型は非常に高い死亡率を伴い、緊急手術が必要とされることが多いです。

適切な治療と早期の医療介入により、虚血性大腸炎の多くの患者は症状の改善と回復が期待できます。そのため、虚血性大腸炎の症状が見られた場合、すぐに専門医の診断を受けることが非常に大切です。

東京都千代田区、秋葉原駅から徒歩1分の立地にある秋葉原・胃と大腸肛門の内視鏡クリニックは、虚血性大腸炎を含むさまざまな消化器疾患の診断に対応しています。

もし、症状に不安を感じたら、遠慮なく当院にご相談ください。

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